2012年、兵庫県が「淡路環境未来島構想」に掲げる「島まるごとミュージアム化」の取組みの一環として、「五斗長ウォーキングミュージアム」はスタートしました。
五斗長集落の裏山をのぼる野性味あふれる森の中に現代アート作品を設置し、災害で破壊された水路や、災害がきっかけでできたダムを横目に人々を山へと誘い、歴史ある古道を歩きながら、自然と共にある私たち自身の日々を静かに見つめる時間と空間を提供したいと、“歩き巡る美術館”、 “森とともに移ろう美術館”として活用していこうというアートプロジェクトでした。地域、行政、NPOなど関係団体の協働のもと、国内外より芸術家を誘致し作品を制作・設置しながら正式オープンに向けて準備を進めていました。
しかし、その後の台風による被害、中心的役割を担って下さっていた地域の方の体調不良、コロナウィルスの蔓延等障害に直面し、また、当センターを取り巻く状況、体制に変化もあり、草刈りしか出来ない時期が続いており、この度プロジェクト開始から10年を節目に、正式オープンは断念し、GWMは閉鎖することと相成りました。長期ビジョンを描ききれないまま進めてきたこと、また力不足に大きな反省も伴い、協力してくださった地域の皆様には本当に申し訳ない思いです。せめてお伺いした貴重なお話などアーカイブのために、ホームページは削除ではなく残す方向で検討しております。
興味を持ってくださる方々からの問合せも多くいただいており、非常に残念ではありますが、時に落石の危険もあるエリアに管理の行き届かない状態で人々をご案内することに対する心配も絶えず、閉鎖の判断にご理解いただければ幸いです。
プロジェクトの立ち上げにご尽力くださった五斗長の今田一夫さん、高田一民さん、そしてこれまでご協力くださった全ての皆様に感謝申しあげます。
淡路島アートセンター 理事・職員一同